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BLOG-ROMMER 日高のブログ

EnOcean Alliance Event in Luxemburg

5月15日から4日間、ルクセンブルグで開催されたEnOcean Allianceのイベントに参加して来たのでレポートする。
15日と16日は TWG(Technical Working Group) だけのミーティングで、TWGの現在の課題である Remote Comissioning と Self Certificate を中心に議論が進められた。これら TWG の活動成果(公開情報)は、下記の EnOcean Alliance のページにまとめられているので、興味がある方は参照頂きたい。

EnOcean Alliance Event in Luxemburg

17日からは場所をルクセンブルグ郊外の BNP Paribas オフィスビルに移動して、MWG (Marketing Working Group) のメンバーやEnOcean 製品の顧客と共に勉強会、展示会、パーティーが行われた。その時の様子を写真で紹介する。BNP Paribas (パリバ) はフランスの有名メガバンクで、BNP Paribas グループはEnOceanの大口顧客である。ここでの開催理由は BNP Paribas の新オフィスビルがルクセンブルグでオープンしたのに合わせて、そこを使わせて貰ったという事らしい。ルクセンブルグは小国だが、国策として優遇税制等で海外企業、特に金融部門や本社を多く誘致していて国内での金融活動が盛んらしい。実際、BNP Paribas の新オフィスビルも立地は田舎だが、周りに多数の振興ビルが立ち並び、 EnOcean Alliance 展示会の集客も良好だった。

EnOcean Alliance Event in Luxemburg
BNP パリバの駐車場側の入り口(裏口)

EnOcean Alliance Event in Luxemburg
地元ルクセンブルグ RMS.lu s.a. の展示

EnOcean Alliance Event in Luxemburg
弊社でも輸入販売している Smart EnOcean Gateway の展示とデモ

AFRISO
温熱関係が専門分野の AFRISO グループの展示とデモ

PM DM
ドイツの PM DM (Precision Motors Deutsche Minebea GmbH)ミネベア・ミツミ系会社のデモ

NodOn
フランス・リヨンのスマートホーム専門会社 NodOn

BNP Paribas Office
展示ではなく、BNP パリバ会議室で実際に使用されているEnOcean空調制御パネル

 

EnOcean Alliance

EnOcean Alliance は2008年に設立された、EnOcean 技術普及のための団体である。ドイツ・シーメンス社内での EnOcean 技術の確立が1998年、EnOcean GmbHの設立は2001年であるから、最初にEnOcean無線通信が実現してから10年後、会社設立から7年後の設立である。今ではほぼ年に2回、世界レベルでの会合がドイツや世界各国で開催されている。会合は全体での情報交換もあるが、プロトコルや認証等の技術面を協議するTWGと、営業・マーケティングの活動を協議するMWGに分かれての活動が多い。なお日本は特例で、日本国内でEnOcean Alliance Japan ミーティングが年2回開催され、国内企業から毎回100人以上が参加している。

今回の参加で驚いたのは、フランスでの急速な普及だ。フランスでは今、EnOcean無線通信は一般家庭レベルまで普及し始めていて、ホームセンターでは個人が好きなEnOceanデバイス(センサー、アクチュエータ、ゲートウェイ)が購入できる。ドアや窓の開閉、鍵の施錠、エアコンや各種家電やモニターカメラなどがEnOceanなどの技術でスマートフォンやスピーカー等と接続して、「スマート・ホーム」がすでに実用化している。

オフィスや工場などの企業での普及も当然進んでいる。リヨンはフランス中南部に位置し、パリに次ぐ規模の産業都市だが、今回はリヨンからの新参企業のEnOcean Allianceへの参加が目立った。EU圏でのEnOceanのビジネスは、デバイス製造、施工・設置、管理・運用(バックボーン、クラウド関連)等と複数社での分業化した共同作業が一般的だが、リヨン市内にはその様なEnOcean施工関連の会社が沢山あるという。Allianceのパーティーで話を聞いた人達は、たまたま会社のビルが通りの斜め前にあって、施工と運用を分業していると話していた。関連会社では無く、ビジネスの取引先の一つだが、互いに近くて便利なので一緒にフランス国内を中心としたEnOceanの共同ビジネスをしているという。彼らからいくつかの事例やエピソードを聞いたが「IoT」などという抽象的な言葉は1回も出なかった。日本では政府を先頭に号令をかけて、あるいは各社がPoC等と称していくつも実験していることが、すでにフランスでは実用化、普及している。ドイツやイギリスもそれに追いつこうとしている。例えばドイツ、ミュンヘンの Microsoft HQビル はつい最近の改築で、全面的にEnOceanベースのビル管理システムを導入したそうだ。IoT, IIoTなどと言っているうちは、まだ何も普及していないのだと知った。

本当のIoTゲートウェイ

この出張で経験した、EUでのIoT / EnOceanの普及の感動を元にして、IoT つくるよ! のLightning Talkで話しました。その時の資料は以下です。

これが本当のIoTゲートウェイだ!-遅れている日本のIoT を挽回せよ!-