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BLOG-ROMMER 日高のブログ

.NET Gadgeteer が拓く新しい組み込みの世界

.NET GadgeteerUS GHI Electronics社の協力を得て開発している.NET Micro Framework ベースの新世代のオープンソースの組み込み環境であり、ツールであり、ハードウェアモジュール群である。

弊社はGHI Electronics社の代理店でもあり、.NET Micro Framework や .NET Gadgeteer 関連製品を販売している。最近になって問い合わせも増えて来たので基本的な事項をまとめておく。

最初に

.NET Gadgeteerを使用して何かを始める際に有用な、基本的な参照サイトを次に挙げる。

Home - Gadgeteer
Microsoft Research が公開している.NET Gadgeteerの本家のページ。開発中の情報やヒント、応用事例などがある。

Microsoft .NET Gadgeteer
.NET Gadgeteerの開発ページ。ソースコードや最新のバイナリが入手可能で、開発者による議論も行われている。新たにGadgeteerに準拠するモジュールやメインボードを開発するための仕様やデザインのガイドラインも公開されている。

Support|.NET Micro Framework
Gadgeteer製品群を製造、販売している GHI Electronics社のサポートページ。必要なソフトウェアの入手先リンク一覧や、英文ドキュメントへのリンクがまとまっている。

初めてGadgeteerについて学習するのであればLearningの項からリンクされている次のページが参考になる。

.NET Micro Frameworkや個別のハードウェアについて詳細に知りたい場合は、次のリンクが役に立つ。

.NET Gadgeteerと.NET Micro Framework

.NET Micro Frameworkを知らない人にとっては、最初は.NET Gadgeteerとの関係がわかり難いだろう。
.NET Gadgeteerのユーザーライブラリは.NET Micro Frameworkの上位層として構築されていてるので、基本的にはベースとなっている.NET Micro Frameworkのライブラリとは互換性がない。同じC#でアプリケーションを記述するが、使用するライブラリはより単純化されている.NET Gadgeteer専用のライブラリ(API)を使用する。また.NET Gadgeteerでは使用するメインボードとモジュール群も、開発時にはGadgeteer専用のものを使用する必要がある。

一方で.NET Micro Frameworkには制約がないためGadgeteer用のハードウェアを流用することも可能で、.NET Gadgeteerよりも柔軟な対応を取ることができる。

Gadgeteerのハードウェア

Gadgeteerを試すには最低でも次のハードウェアが必要である。Gadgeteerのエミュレーターは現在開発中のため、.NET Micro Frameworkの様に、エミュレーターでは完全にその機能を試すことができない。

必要なハードウェア
  • メインボード
  • ソフトウェアを実行するCPUを搭載したボード。FEZ Spider, FEZ Hydra, FEZ Cerberus 等が現在販売中。

  • 電源モジュール
  • メインボードに電源を供給するとともに、USB経由でソフトウェアのデプロイとデバッグを行うコネクタを備えたモジュール。
    2.1mmピッチの外部12V ACアダプタ電源用コネクタを備えたClient DPモジュールとUSB mini BコネクタだけのClient SPモジュールの2種類がある。Client SPモジュールを使用する場合には、消費電流500mAの制限があるので注意が必要。

  • その他のモジュール
  • Gadgeteerの世界では、メインボード以外はディスプレイもLEDもボタンやジョイスティック、センサーも全てモジュールである。モジュールが無くても上記の2種類のハードウェアがあればGadgeteerプログラムを動かし、デバッグすることが可能であるがやはり何かの入力モジュールか出力モジュールを用意しないと「手軽に組み込みを体験できる」Gadgeteerの醍醐味を味わえない。

必要なソフトウェア

.NET Micro Framworkが.NET Gadgeteerのベースとなっているため開発環境は共用となっている。
GHI Electronics社のSupport|.NET Micro Framework (NETMF)のページ(http://www.ghielectronics.com/support/netmf)から以下のモジュールを入手して、順にインストールを行う。
NETMF and Gadgeteer Package 2014 R1 (NEW) を入手するには、アカウントを作成してログインする必要がある。

なお NETMF SDK 4.2 (RTM QFE2) のファイルはVisual Studio 2010を使用する場合のSDKであるので2012上では使用しない。

実際に.NET Gadgeteerを調達して使ってみるとわかるのだが、現在GHI社が製造している.NET Gadgeteerのメインボードは型式によって異なったCPUが採用されている。また各メインボードが搭載しているOS(ファームウェア)はそれぞれ異なったものとなっている。ファームウェアの系列は主に歴史的な理由により、GHI Premium NETMF Library と GHI OSHW NETMF Libraryの2系統があり、GHI社が提供する部分のライブラリを使い分ける必要があるので注意されたい。

修正メモ

各ソフトウェアのバージョンが変わったので修正しました。