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BLOG-ROMMER 日高のブログ

アレッポの石鹸

弊社ネットショップで販売しているaleppoの石鹸が突然売れ出した。朝日新聞の記事に載ったのがきっかけだ。「シリアのせっけん、戦火越え日本へ 中高年男性にも人気」というWeb記事だけでなく、25日の夕刊にもほぼ同じ内容が載った。朝日新聞社に問い合わせて販売店(弊社のこと)の番号を教えて貰ったという人もいて、電話注文もどんどん来ている。テレビ局からも問い合わせが来た。

「アレッポの石鹸」は弊社ネットショップでは約15年間扱っているスタンダード商品で、個人向け販売は多い時でもせいぜい1日1~2件程度だが、それがこの2日間で10倍近く売れている。今までここでアレッポの石鹸について書いたことが無いので、この機会に紹介する。

実はこんな経緯で販売を始めた

時々聞かれる質問は、なぜコンピュータ開発や電子部品販売の会社が石鹸を売っているのか?という事だ。様々な理由があるが、まとめると次の通りだ。

1999年の会社設立時からビジネスの柱の一つが、IT技術者教育だった。教育内容にはインターネットを扱ったものがあり、実際にサーバーを運営して最新の状況を知らなければ技術者教育はできないと考えた。それで始めたのがネットショップでの石鹸販売である。電子部品販売よりもかなり前の事だ。

「アレッポの石鹸」は、弊社顧問の 慶應慶応義塾大学 武藤教授 に紹介頂いた。武藤教授には会社の立ち上げから、教育コンテンツの作成、顧客の紹介まで多大なる支援を頂いている。武藤教授はアラビヤ語教育やイスラーム研究で著名、シリア国立アレッポ大学学術交流活動日本センター副所も務められる 奥田敦 教授 から教えて貰ったとの事だ。

実際に石鹸を使ってみると、匂いや形など、始めは少しくせがある様にも感じたが、肌がツルツルになり使用感が抜群に良い。とにかく石鹸を使うことが楽しくなり、風呂で頭の先から体中を洗うだけでは収まらなくて、一日に何回も手や顔を「アレッポの石鹸」で洗っていた。気持ちがいいのである。大好きだ。手ごろな価格で希少性があることも理由の一つだが、何といっても石鹸自体が素晴らしいので是非ともこれを扱ってみたいと思った。

石鹸のふるさとを訪ねて

それほど夢中になった石鹸のふるさとを訪ねる機会が訪れた。武藤教授がJICAのプロジェクトでヨルダン王立アカデミーの教育を担当していた時のことである。私自身もコンピュータ・ネットワークの専門家として同行して、現地の技術者をサポートした。余談だが訪問は2001年の9月初めで、9.11発生時は外務省の方にもご心配頂いたので良く覚えている。

残念ながら距離とスケジュールの都合でアレッポ市までは訪問できなかったが、ヨルダンの隣国シリア・ダマスカスの市場(スーク)で何件かの石鹸販売の店を訪問して話を聞くことができた。今でこそダマスカスは戦火の街となってしまったが、訪問した時は話好きでいい人ばかりに出会った。店先でちょっと話をすると茶を飲んで行けと誘われるし、買いものをするといろいろとアドバイスをくれるだけではなく、オマケを貰う事もあった。

ダマスカスやアンマン(ヨルダン首都)の店では実に多くの種類の石鹸を販売している。それぞれメーカーや製品が異なる。値段も様々で、品質も違う。熟成させてなく緑色のものがある。日本での味噌や酒と同じ様な感じで作られているのだろうか。

その中でひと際目立っていたのが、見慣れたビニールで包装されたアデル・ファンサ製の「ノーマル」と「エキストラ」である。聞いてみると、これらは日本向けに特別に作られた最上級品との事だ。値段も他の石鹸に比べて倍以上していた。石鹸に刻印される星の数で等級を表しているメーカーもあるが、これらは高級すぎるので星は付かないそうだ。日本で「アレッポの石鹸」の商品名で売られているこのアデル・ファンサ製の石鹸は、この当時から弊社で扱っている商品である。

良い石鹸なので是非お試しを

アレッポで作られる石鹸は、まさに石鹸のルーツで4000年以上の歴史を持つと言われている。天然素材だけで作らているので体に優しいこともあるが、油分を落とし過ぎないので使い易い。汚れがひどいときには泡立ちが悪いが、それは石鹸が持つ本来の特性である。ゆすいで何回か使ううちに、キメ細かいクリーミーな泡が立つ様になるはずだ。匂いは慣れれば気にならない。やや大きくて武骨であるが、針金で好きな大きさに切れば(ナイフで切ると割れやすい))旅先への持ち運びも可能だ。妻は化粧落としに欠かせない。クロワッサン誌2013年2月号の記事によると食器洗いにも使えるらしい。

長く使える良い商品なので、興味を持った方はお試しを

なおこのブログ記事は販売店の社長が書いた個人的な感想を含む広報宣伝である。

ダマスカス訪問時の写真



市内のモスク。当時は手入れが行き届いてきれいだったが、今では破壊されているらしい。



石鹸等を扱う小売店。アレッポ産石鹸の卸売り店がスークの地下にあったが、暗くて写真が良く撮れなかった。



レストランで昼食をして出たところ。写真は同行頂いた通訳兼ドライバーさんに撮って貰った。



食料品店で働く若者たち。カメラを向けるとポーズを取ってくれた。この様にお店で働くのは男ばかりで、若者も多い。



スークの中は屋根があるが灯りが少なく、いりくんでいる。



スークの入り口を外から写した。当時からアサド大統領が治めていたようだ。